住めば都

地方移住したアラフィフ主婦のひとりごと

幸せは日常の中に

私が通っているフィットネスクラブでは、先月末から鯉のぼりを設置しています。
建物の3階は隣接する小川に面してガラス窓が並び、外側に観葉植物の置かれたテラスが、内側には筋トレのマシンエリアが広がっています。
そのガラス窓に向かってルームランナーが配されているので、最近は初夏の薫風にそよぐ鯉のぼり(数えてみたら大小40匹!)を眺めながらウォーキングに励んでいます。
こういうサービスは敷地面積にゆとりのある地方ならではの贅沢で、近隣住民からも喜ばれているそうです。
平日の午前中に利用している会員は高齢者ばかり、ジムというよりデイケアみたいな雰囲気の中トレーニングしています。もう50歳なのにここでは「若い人」扱い(笑)


その日は朝から混雑していたため、空いている昼時を待って、ひとりウォーキングを始めました。傾斜5%、速度5.5km/時、250kcalを30分で消費する程度の速歩です。
ルームランナーの液晶テレビよりも、青空を気持ちよさそうに泳ぐ鯉のぼりを眺めつつ歩いていたら、外のテラスでやはり鯉のぼりを見上げながらおにぎりを食べていた二人のおばあちゃんが、
「幸せだねぇ」
「ほんとにねぇ」
と会話しているのが聞こえてきて(窓が網戸になっていた)、その光景に胸打たれた私は涙ぐみそうになりながら、黙々とウォーキングを続けました。
液晶テレビに視線を戻せば、ウクライナイスラエルの殺伐としたニュースが流れ、能登半島ではいまだ不自由な生活を強いられている人々がいます。
同じ時代を生きながら、こんなにも平和で穏やかな環境にいられることの幸運を、改めてかみしめたのです。


端午の節句が終わってしまったので、鯉のぼりは間もなく見納めでしょう。
来年も四国に住んでいるという保証はありません。
いつか松山での日々を懐かしむ未来があるとしたら、この記憶を留めておけるようブログに綴っておきます。


幸せは日常の中に。