先月Zooeyさんのブログで知ったイラク映画。
第78回カンヌ国際映画祭、新人監督賞/監督週間観客賞、W受賞作品。
奈良県でもひと月遅れで上映がはじまりました。

舞台は1990年代、サダム・フセイン独裁政権下のイラク。
祖母と暮らす9歳の少女ラミアは、学校のくじ引きで「大統領のケーキ係」に選ばれてしまいます。
フセイン大統領の誕生日を祝うために、各学校でケーキを作らせる。できなければ重い罰が科されると先生に脅されます。実際に食べるのはその先生で、信じられないことにこれ、実話に基づいた物語なのだそうです。
その日の食事にも困るような貧しい生活(な設定のわりに肉付きのいいラミアちゃん😅)なのに、どうにかしてケーキの材料を集めなければなりません。
タイトルやキャッチコピー、にわとりを抱えた彼女の愛らしいビジュアルから、ほのぼの系のお話かと思いきや、とんでもなくシビアな内容の映画でした。
戦争と食糧難で秩序を失った、男性優位のイスラム社会。保護されるべき女性や子供たちが搾取され、理不尽な暴力に晒される日常が、淡々と描写されていきます。
たった一人を除いて、登場する大人の男性がクソ野郎ばっかりでした。学校の先生でさえ、生徒から食べ物を奪ってはばかりません。
そんな人間の卑劣さとは対照的に、イラク南部へ広がる景色のなんと美しいことか。
ペルシャ湾を臨む湿地帯アフワールは、世界遺産にも登録されている、メソポタミアの歴史的景勝地です。
ラミアと祖母が暮らす水草で編まれた浮島の家も、尖った舳先の小舟を手漕ぎする水面のゆらめきも、市街地の喧騒とは別世界のように穏やかで美しい。
産油国に暮らしても、貧しい家庭では石油を使わない生活なのでしょう。
途中で仲違いしてしまいますが、力を合わせてケーキの材料を探す、ラミアとクラスメイトの少年サイードの関係性がとても良かったです。まだ色恋を意識する前の、幼く純粋な友情がほほえましい。
過酷な現実からほんのひととき逃れるための、瞬きをしない遊び。
ふたりの瞳の力強い輝きに、明るい未来を願わずにはいられませんでしたが…それだけにラストは衝撃でした。
ラミアとサイードは無事だったのでしょうか。
あの暗転は、つまり、そういう結末だという解釈になるのでしょうか。
やるせない無力感を抱えたまま、映画館を後にしました🚙
例年8月は子供向けが中心で、観たい映画がないと高を括っておりました。ブログで紹介されなければ見逃していたと思います。おかげさまで良作にめぐり合えました。
Zooeyさん、ありがとうございました~🥰


















息切れしそうな石段と坂道を上った先に、ひっそりと拝殿がありました。鬱蒼とした木立ちに囲まれて、神秘的な雰囲気が漂います。蝉しぐれを浴びながら、ひとり静かにお参りさせていただきました。無人の神社ながら、参道はきれいに枝払いされ、きちんと管理されているようです。






























