住めば都

地方移住したアラフィフ主婦のひとりごと

はじまりは断食道場

用事や旅行がない限り、日課のようにフィットネスクラブへ通っている私たち。
移住先のリサーチでは、まず通いたいジムを決めてから、その近辺で家を探します。

最初にハマったのは私で、5-6年前、例によって夫のモラハラがきっかけでした。

とある外資系企業で全国トップクラスの営業成績を収めていた夫は、毎年膨大な業務とノルマを課され、帰宅後にそのストレスを私へぶつけていました。
外ではデキる社会人としてふるまい、家で妻にモラハラを繰り返す…まぁよくあるパターンです。
私も未熟だったのでつい言い争ったりして、だいたい半年に1回くらい夫から「出て行け」と怒鳴られ、その度に「そうします」と家出することが常態化していました(笑)
たいていひとり旅を楽しんでいたのですが(←鋼のメンタル)、何度目かの家出の時、以前から興味のあった断食道場に参加してみようと思いたったのです。
当時デトックスとかファスティングが流行っていた頃でした。

東京の神社が運営する施設(怪しくない)が神奈川県にあり、そこへ一週間滞在しました。
水補給だけの完全断食ではなく、朝昼晩ごく少量の健康食を摂るスタイルの道場です。
希望者のみの早朝勤行、経絡に基づく整体やツボ押し、森林浴やトレッキング、初心者向けのヨガや瞑想等々…毎日盛りだくさんなプログラムがあって、参加するもしないも個人の自由。
もう何もかもはじめての体験で、家出したことも忘れて楽しんじゃいました。
箱根の近くだったのであちこちの温泉に日帰り入浴したり、富士山のご来光を見るため寝袋を借りて深夜からクルマで出掛けたり。

ひとり参加のリピーターが多く、入退所も自由なので、毎日メンバーが入れ替わります。
憶えているだけで、
 ・かけだしの女優さん
 ・飲食店経営の大酒飲みで、年に一回アルコール抜きに来るという在日韓国人女性
 ・八百屋を畳んでマクドナルドに店舗を貸した、キックボクシングが趣味のおじさん
 ・養育する里子との関係に悩む女性
 ・より上位のヨガ資格を得るため、イギリス留学を控えたインストラクター
 ・ほぼ毎月通っているという常連の在日中国人女性

ほかにも好奇心で一泊だけした女子大生ふたり組や、ダイエット目的で訪れた県内に住むおばちゃんなど、ここへ来なければ出会うことはなかっただろう個性的な人々ばかり。
なかでも里子に悩む女性とはいちばん長く一緒に過ごしたのですが、はるばる宮崎から参加したという彼女、会話を重ねるうちに私と共通の知人がいることが発覚して、とても印象に残っています。
施設はお世辞にもキレイとは言い難く(潔癖性の人は絶対無理)、運営もアバウトな感じで、オトナの林間学校みたいな雰囲気でした。

そこで私に突きつけられたのは、圧倒的な体力不足!
野山をトレッキングしても、お寺の参道で長い石段を登るにしても、いつも私がビリなのです。年上の皆さんにもついていけない。
どちらかといえば細身体型でしたから、それまで運動する習慣がありませんでした。
もともとスポーツは嫌いで、人と競争するのも苦手、体育の成績は2だった私(笑)
細いだけじゃダメなんだ!と痛感して、帰宅した翌月からジムへ通いはじめました。
家出の弾みで参加した断食道場が、その後のライフスタイルの軸となるフィットネスへと私を導いてくれたのでした。